国内において、少子高齢化、人手不足、社会、企業においてのグローバル化と言われて久しいと思います。そのような中、我が社においてもついにベトナムからラ タイン クエン君と、ダオ ティ キム トアさんを採用し、令和二年三月十日に入社式をしました。
我が社においてベトナムとは何かと縁がありまして、十年以上前にハノイの工業用地を視察に行きました。また外国人専用のアパート建築の説明を受けたりしました。また、三・四年前には、ハノイで既に活動している日本の建築会社の現場を視察に行って来ました。しかしながら、これから検討していかないといけないと考える一方、現実的にはさまざまな問題点もあると思い踏み切れない状態でもありました。 そういう中、二年程前に、宮崎市にあるアース建設コンサルタントさんと知り合うきっかけがありました。その会社は、2015年にジェトロの「海外展開のための専門家活用助成事業制度」に採択され、また、国交省の「外国人建設就労者受け入れ事業にかかる人材活用モデル事業」にも採択されていました。そして、そのような中、2015年10月にホーチミン市建設短期大学内にJCTコースを開設し、2018年10月にはツゥーロイ大学ホーチミン校にTCTコースを開設したということです。
JCT、TCTコースとは、日本語の勉強をしながら日本の建設を学ぶクラスの事です。 つまり、そこのクラスの生徒は皆、将来日本で働きたいベトナムの学生なのです。ここでも、社内の事情を考えるとなかなか決断できないままでいました。そうした中、同業他社が次々にベトナムの学生達を採用しているという話を聞き、我が社ももう一歩踏み出してみようと決めた訳です。 聞くところによると、どの会社も採用してみないと分からないという暗中模索の状況でスタートしたということです。そして我が社においても、昨年の5月にホーチミンのホーチミン市建設短期大学に行き、21名の希望者の学生と面談してきました。大人数でもあり短い時間の中、そして言葉の壁もありとてもその場で採用するに至らなかったのですが、少なくとも全員一生懸命自己アピールをし、何よりも眼の輝きが、今の日本人にない物を感じました。そして昨年の7月にテレビ電話で3人に絞り、9月にクエン君とトアさんに決めたのです。 「高度外国人材育成事業」とは、我が社においてはベトナムに絞り込み、不足する建設業従事者を確保するために勤勉・素直で比較的日本人に共通する部分もあるベトナム人の学生に日本の建設技術と日本語を学ばせる事業であり、技術ビザを利用して来日・就業できるということであります。いずれにしましても、我が社においてはじめての外国人採用であり、社内のシステムも確立していない状態でのスタートであり手探りのことでありますが、会社としましても社員全員で協力し合って彼らを育てていただきたいと願っています。私は、将来、間違いなく上田工業の貴重な財産になってくれると期待しているところです。
代表取締役森 龍彦
奨学金返還企業の1つである当社は、ユニークな高度外国人材活用法としてジェトロ(日本貿易振興機構)にて取り上げられました。